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通称:ベスニュース

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作成日:2025.10.20

更新日:

初級

規制・許認可

建築・開発

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※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。

系統用蓄電池は第一種特定工作物?
— 都市計画法の位置づけと開発許可の要点

系統用蓄電池は第一種特定工作物?

1.電気工作物でない×危険物の『貯蔵又は処理』に供する工作物(施行令1条1項3号)→第一種特定工作物になり得る。

2.調整区域は34条/令36条で個別審査、43条許可の要否も確認。

3.コンテナBESSは単段=非建築物/積層=建築物(確認要)。

国都計第7号(2025-04-08)準拠

判定プロセス:3ステップで確実に

❶電気工作物の判定:電気事業法上の「電気工作物」該当性を確認

❷危険物貯蔵・処理工作物:危険物の貯蔵又は処理に供する工作物か否か

❸開発許可の検討:29条・34条・43条に基づく手続の要否確認

背景

なぜ論点となるのか

・再エネ拡大と電力需給調整に伴い、系統用蓄電池(BESS)の導入が加速

・蓄電池システムは複数法令が関わり、どの手続が必要か迷いやすい状況

・特に都市計画法上の位置づけが明確でなく、開発許可の要否判断が自治体により異なる

・2025年4月8日に国交省から技術的助言(国都計第7号)が発出され、解釈が明確化

本資料の適用対象

国都計第7号の適用対象は「電気工作物に該当しない系統用蓄電池」です

「電気事業法2条1項16号に規定する電気事業の用に供する同項18号の電気工作物」に該当する場合は、都市計画法の第一種特定工作物には該当しないため、本資料の対象外となります。

本日のゴール

・系統用蓄電池が第一種特定工作物に該当するケースを理解する

・コンテナ型BESSの建築物該当性の判断基準を把握する

・市街化調整区域での許認可の流れを確認する

本資料は国都計第7号(2025/4/8)の技術的助言に基づく。対象は電気工作物に該当しない系統用蓄電池である。

法的判定フローチャート

❶電気工作物か?(電事法2条1項18号)

・はい

→ 都市計画法の第一種特定工作物の検討対象外

・いいえ

→ Step 2へ

❷危険物の「貯蔵又は処理に供する工作物」か?(都計法施行令1条1項3号。危険物は建基法施行令116条の表で定義)

・はい

→ Step 3へ(第一種特定工作物に該当し得る)

・いいえ

→ 非該当

❸場所・行為の手続(市街化調整区域)

・開発行為の有無で入口が変わる(29条/34条14号・令36条1項3号ホ/43条)

→ 43条許可は開発行為を伴わない場合の建築等の許可です。早期確認が重要です。

用途(貯蔵・処理)判定は SDS/機器仕様/運用計画で裏付け(文書化して事前協議へ)。

各自治体で運用や審査基準が異なるため、最新の事務取扱要領等で要件を確認してください。

開発行為

=都計法29条。市街化調整区域での個別審査=34条・施行令36条1項3号ホ。43条は開発行為を伴わない場合の許可。

都市計画法の基本と技術的助言

都市計画法は開発行為を規制する法律です。市街化区域と市街化調整区域に分け、特に調整区域では厳しい制限があります。系統用蓄電池は「第一種特定工作物」に該当しうるため、該当判断と必要な許可手続きを理解する必要があります。

第一種特定工作物の該当可否は、"危険物の体系(建基法施行令116条)"により危険物かを判定し、当該工作物が貯蔵又は処理に供されるかで判断する

3つの重要な法的根拠

電気工作物判定

電気事業法2条1項18号

発電、送電、変電、配電等に関わる設備。系統用蓄電池は「該当しない」場合に第一種特定工作物の検討対象となる。

第一種特定工作物
の根拠

都市計画法施行令1条1項3号

「危険物の貯蔵又は処理に供する工作物」。危険物とは建築基準法施行令116条の表に掲げる物質。

調整区域での許可

34条14号・令36条1項3号ホ・43条

調整区域では個別審査が必要。開発行為がある場合は34条、ない場合でも43条の許可検討が必要。

法令間の関係性: 系統用蓄電池が都市計画法の「第一種特定工作物」に該当すると、開発許可(29条)が必要になります。市街化調整区域では、さらに立地基準審査(34条14号)を通過する必要があります。

※ 国都計第7号(2025-04-08)では、系統用蓄電池の扱いについて技術的助言が示されています。

※ 電気事業法上の「電気工作物」に該当する場合は、都市計画法の開発許可制度の対象外となります。

技術的助言の要点

国都計第7号(2025年4月8日):系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて

出典:国土交通省 都市局 都市計画課長通知

国都計第7号の原文に近い要旨

『電気事業法2条1項16号に規定する電気事業(同項2号・同項15号の3を除く)の用に供する同項18号の電気工作物に該当しないものであって、施行令1条1項3号に規定する危険物を含有するものは、第一種特定工作物として取り扱う。』

「含有」と「貯蔵又は処理」の表現の違い

上記の「含有」は助言本文の便宜的な表現です。判定フロー上は都市計画法施行令の条文どおり「貯蔵又は処理に供する」で統一します。
助言は自治体担当者への技術的アドバイスであり、最終的な法的判断基準は条文に基づきます。

法的判断の実務ポイント

・系統用蓄電池が「電気工作物」に該当しない場合に、都市計画法上の第一種特定工作物となり得る

・該当性判断は事業者と自治体間で協議を重ね、SDS(安全データシート)や仕様書で裏付ける

・最終的な判断は各自治体の開発許可担当部局によるため、計画段階での事前協議が重要

第一種特定工作物の判断基準

系統用蓄電池が第一種特定工作物となる判断基準

❶電気工作物(電事法2条1項18号)に該当しないこと

※発電、送電、変電、配電の用に供する設備等は電気工作物。

※電気事業の用(同法2条1項16号)に供する設備は該当

❷都市計画法施行令1条1項3号の『危険物の貯蔵又は処理に供する工作物』に該当すること

※リチウムイオン電池含有機器が該当するかは用途(貯蔵・処理)で判断

危険物の体系(建築基準法施行令116条の表)

区分 対象 リチウムイオン電池関連
第1類 酸化性固体
第2類 可燃性固体 リチウム金属
第3類 自然発火性/禁水性物質 リチウム化合物
第4類 引火性液体 電解液溶剤
第5類 自己反応性物質
第6類 酸化性液体

※蓄電池セル内の物質が対象だが、系統用蓄電池では封入・一体化されている点に注意

e-Gov法令検索:建築基準法施行令116条

重要なポイント:

・数量の多少ではなく『用途(貯蔵・処理)』で第一種を判断。自治体通知では"少量でも該当"運用あり

・用途判定のための証拠書類(SDS・仕様書・配置図・運用計画書)を事前に用意

市街化調整区域/43条許可の要否

開発行為の有無で入口が変わる(29条)

・34条14号+施行令36条1項3号ホでの運用(用途・規模・立地の個別審査)

・地域の実情に即した産業振興・雇用創出等の判断が必要

許可基準:「地域の振興に資する工業・流通業務施設」と認められる必要あり(自治体により異なる)

造成が無くても43条許可の要否を所管に事前確認

・43条は開発行為を伴わない場合の「建築等の許可」制度

・事業計画の初期段階で43条許可の要否と確度を確認(自治体協議)

許認可フローの早期確定

自治体ごとの運用差の確認(要綱・手引き等)

許可取得時期の工程への反映(29条/34条/43条)

関係部局との事前協議(都市計画・消防・建築)

許可取得前に工事着手すると法令違反

工事着手前の許可取得が必須。違反した場合、工事中止命令・原状回復・罰則等の重大リスクが発生。工程計画・予算に大きく影響するため、自治体と早期に協議を行うことが重要です。

※各自治体の開発許可担当課と早期に事前相談を行うことを強く推奨します。

コンテナBESSの建築物該当性

設置形態によって「建築物」該当性が変わる

コンテナ型蓄電池(BESS)の設置形態によって、建築基準法上の「建築物」該当性が変わります。

非建築物(建築確認申請不要)

以下の3条件を全て満たす場合:

・単段:積み重ねがない

・無人:稼働時に人が内部に立ち入らない

・最小空間:必要最小限の空間のみ

建築物(建築確認申請必要)

以下のいずれかに当てはまる場合:

・2段以上の積層構造

・共通屋根、外廊下、階段等がある

・人の常時立入りが想定される構造

「単段」「無人」「最小空間」の3条件は全て同時に満たさなければならない

コンテナBESS 建築物該当性比較図

ポイント

・建築物に該当しない=単段・無人・最小空間の3条件を全て満たす

・建築物に該当する=2段以上または人の立入り前提

※詳細な判断基準と注意点は次ページ「7-2. コンテナBESS判断の詳細」に続く

申請・手続チェックリスト

電気工作物/危険物の判定根拠は必ず文書化(用途・接続・運用主体/SDS・仕様・配置図)

□ クリティカルパス:34条審査→造成→43条(必要時)→建築確認(積層時)

□ 29・34(36ホ)・43のどれが起動するかを最初に特定(工程と費用見積の基点)

□ 自治体の運用差(面積閾値・運用要綱)を事前調査

□ 関係部局と早期協議(都市計画・建築・消防・電気)

□ 調整区域案件は許可取得まで工事に着手しない(違反行為になります)

□ 必要書類一式を事前確認(図面・技術基準確認書・委任状等)

実務上の注意点

建築確認申請が必要な場合(2段積以上)、開発許可が下りていることが前提条件となります。工程管理においては各許可のリードタイムと相互依存性を考慮してスケジュールを作成してください。

よくある誤解Q&A

Q

全てのBESSが第一種特定工作物?

いいえ。電気工作物に非該当かつ危険物(116条)×貯蔵/処理に供する場合のみ検討対象となります。 電気事業法2条1項18号の電気工作物に該当する場合は、都市計画法上の「工作物」に該当せず、第一種特定工作物の検討対象外です。

根拠:国都計第7号、施行令1条1項3号

Q

"含有"と条文の違い?

「含有」は助言文書の便宜的表現です。法令上の判定は「貯蔵又は処理に供する」という用途基準で行います。 国都計第7号の助言文では「危険物を含有するもの」という表現が使われていますが、都市計画法施行令の条文では「危険物の貯蔵又は処理に供する工作物」と規定されています。実務上は後者の基準で判断します。

Q

コンテナBESSは全部、建築確認不要?

いいえ。設置形態によって異なります。
単段・無人・最小空間 = 原則として非建築物(建築確認不要)
2段以上 = 建築物扱い(建築確認必要)
また、単段でも共通屋根・外廊下・階段等の構造や人の立入りが想定される場合は建築物扱いとなる可能性があります。

専門用語ミニ辞典

系統用蓄電池に関わる5つの重要な法令用語を定義します。各用語の正確な条文番号を括弧内に明示しています。

第一種特定工作物

ゴルフコースなどのレジャー施設や、危険物の貯蔵又は処理に供する工作物など。系統用蓄電池は条件を満たせば該当する。

都市計画法4条11項・施行令1条1項3号

電気工作物

発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路などの電気設備。

電気事業法2条1項18号

危険物

建築基準法施行令の表に掲げられた爆発性、発火性、引火性等の物質。蓄電池に含まれるリチウムイオンなどが該当し得る。

建築基準法施行令116条の表

市街化調整区域

市街化を抑制すべき区域。原則として開発行為や建築行為が制限されており、蓄電池施設の設置にも各種許可が必要となる。

都市計画法7条3項、34条

43条許可

開発行為を伴わない建築行為等に対する許可。市街化調整区域内で造成を行わずに系統用蓄電池を設置する場合に検討が必要。

都市計画法43条

参考情報(一次出典)

法令・通知等の原典情報(最新の内容を必ず確認)

国土交通省 都市局 国都計第7号(2025-04-08)「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて(技術的助言)」

https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/content/001654321.pdf

国土交通省 住宅局 国住指第4846号(2013-03-29)「蓄電池を収納する専用コンテナに係る建築基準法の取扱いについて」

https://www.mlit.go.jp/common/000996485.pdf

都市計画法(昭和43年法律第100号)4条11項(特定工作物)、29条(開発許可)、34条(調整区域)、43条(開発行為なしの建築等)

e-Gov法令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC0000000100

都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)1条1項3号(第一種特定工作物)、36条1項3号ホ(開発許可不要建築物)

e-Gov法令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC0000000100

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)

116条の表(危険物の定義)

e-Gov法令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325CO0000000338

電気事業法(昭和39年法律第170号)

2条1項18号(電気工作物の定義)

e-Gov法令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339AC0000000170

法令確認の重要性:法令・通知は改正される場合があります。e-Gov法令検索で最新版を確認し、自治体の個別運用要領も参照してください。

ISO 8601表記:本資料では日付をISO 8601形式(YYYY-MM-DD)で統一表記していますが、原典の表記に従う場合があります。

まとめ

・第一種該当の鍵は「電気工作物に非該当」×「危険物の貯蔵・処理(施行令1条1項3号)」

・調整区域では34条14号・令36条1項3号ホ・43条の要否を早期確定

・コンテナBESSは「単段・無人・最小空間」以外は建築物扱いの可能性

注意

最終判断は自治体の審査・運用に依存します。最新の要綱・取扱要領を必ず確認してください。開発許可申請前に所管部署との事前協議を推奨します。

監修者

監修者 青栁 福雄

青栁 福雄
Aoyagi fukuo

Energy Link 取締役 COO

系統運用・需要側制御・スマートグリッド分野の実務家。東京電力にて変電所の建設・運用・保守および大口顧客向けエネルギーソリューションに従事。マイエナジー出向時には2002年日韓ワールドカップの複数会場および国際放送センターの電源責任を担当。東光高岳では執行役員としてスマートグリッド事業を統括し、NEDO事業等に参画。2019年にEnergy Linkを創業し、分散型電源の導入・利活用を推進。

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